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Vol.4 花粉症の季節到来!~シーズンを楽に乗り切るためには~

Vol.4 花粉症の季節到来!~シーズンを楽に乗り切るためには~

 

スギ花粉症は今や日本の国民病

 

今年は早くも1月8日に、花粉症の原因とされるスギ花粉の飛散が東京で観測されました。これは1985年の調査開始以来、最も早い飛散開始だそうです!花粉の量も昨年より増えることが予測されており、今年もそろそろ花粉症対策をしなくてはいけない時期になってきました。

今や日本人の3人に1人がスギ花粉症を患っていて、花粉症は日本の国民病とも言われています。目や鼻のムズムズ、くしゃみ、鼻水で春の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか?

2月のスギ花粉に始まり、長い方では、ヒノキ花粉の終わるゴールデンウイーク明けまで症状が続きます。花粉症シーズンを楽に乗り切るためには、どのような対策が必要でしょうか?

 

 

花粉症治療は先手必勝! ~花粉飛散2週間前からの初期療法~

症状のでない程度の僅かな花粉量の時期から、私たちの結膜や鼻の粘膜では微細な炎症が始まっており、強い炎症を惹起させる準備段階となっています。ここに花粉の飛散が一気に始まると、炎症が加速度的に進み、目のかゆみやくしゃみ、鼻水、さらには眠気や集中力の低下など、コントロールに苦慮する花粉症を発症するのです。

 

花粉症の「初期治療」として、花粉飛散シーズンの少しまえから治療を始めることで、花粉症を発症する時期を遅らせ、発症後の症状を緩和させることができます。

 

花粉症はアレルギーのひとつで、体内に侵入した抗原(花粉)が目や鼻の粘膜にふれると、免疫反応が活性化され、肥満細胞と呼ばれる細胞から、ヒスタミンなどのアレルギー物質が放出されることで起こります。放出されたヒスタミンは、体にあるヒスタミン受容体にくっついて、かゆみやくしゃみ、鼻水などの症状を引き起こします。

 

 

「初期療法」では、花粉の飛散量が増える少し前から、抗ヒスタミン薬を継続的に点眼や内服することで、目や鼻の粘膜にあるヒスタミン受容体を前もって占拠しておき、ヒスタミンに反応しにくい体作りをしておく治療法です。

初期療法を行っておくと、花粉シーズンピークとなり、体内でヒスタミンが多量に放出されるようになっても、ヒスタミンがくっつくことのできる受容体が減っているため、症状として表れにくくなります。これは、抗ヒスタミン薬の「インバースアゴニスト」作用という考え方で、花粉の飛散する2週間ほど前から治療を行うと効果的であると言われています。

花粉症治療は先手必勝です!今年の花粉飛散は早いですので、早めの準備を心がけましょう。

 

 

 

自分でできる花粉症対策

花粉症対策は何といっても、花粉を体内に侵入させないことが一番です。症状の軽減だけではなく、まだ発症していない方は発症予防の効果も期待できます。

外出するときには、眼鏡やマスクを装用し、綿やポリエステルなど花粉が付着しにくい服を選ぶことも効果的です。また、外から帰った時は家に入る前に髪の毛や衣類についた花粉を払い落とし、手洗いやうがいを行いましょう。

また、コンタクトレンズを使用されている方は、シーズン中は眼鏡に変える、2weeksであれば1dayに変えるなどの対策をしましょう。人工涙液などで花粉を洗い流すことも効果的です。

 

文責:成尾 麻子 院長 【日本眼科学会認定 眼科専門医・視覚障害者用補装具適合判定医師・難病指定医】

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